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異世界に転生をしてバリアとアイテム生成スキルで幸せに生活をしたい3
異世界に転生をしてバリアとアイテム生成スキルで幸せに生活をしたい3
Author: みみっく

1話 剥き出しの不敬と静寂を破る罪人たちの嘲笑

Author: みみっく
last update Last Updated: 2025-12-22 07:57:47

 それから三日ほど、何気ない日常の平穏を存分に味わい、ゆっくりして過ごしていた。

 だが、その静けさを破るように朝早くから国王の使いが呼びに来た。ユウヤはミリア、シャルロッテと顔を見合わせ、身支度を整えると、三人で再び重厚な石造りの王城へ向かった。

 王城の長い廊下を歩く足音が、これからの旅の始まりを予感させるように、静かに、だがはっきりと響き渡っていた。

「お呼びして申し訳ないです」

 国王は、目の下に薄い隈を作り、苦渋に満ちた表情でユウヤたちを迎え入れた。その声は、以前会った時よりも微かに震えているようだった。

「それは良いけど、朝早く呼ぶという事は緊急の要件ですよね?」

 ユウヤは、城内の張り詰めた空気を感じ取り、真剣な眼差しで問い返した。

「は、はい……平民にした貴族達の一族達が、密かに連絡を取り合っているようでして」

 国王の言葉に、ユウヤは納得したように小さく息を吐いた。

 そっか……前回は一族が一つだったので協力者が出なかったけど、今回は複数の貴族を一度に大量に刑を執行したから、お互いに協力して何かを企てようとしているのか。ユウヤは、暗い情念が複雑に絡み合う貴族社会の執念深さを感じ、厄介な事態になったことを察した。

「今回は完全に俺のミスだな……」

 ユウヤは、額に手を当てて小さく息を吐いた。一度に多くの首を撥ねれば、当然その後に残された者たちがどう動くか。複数の一族がいれば、復讐に燃える兄弟や、野心を持つ甥や姪も大勢いるはずだ。中には周囲からの人望が厚い者だっているかもしれない。

 とりあえず……平民に落としたことで、皮肉にも彼らには自由な行動制限がない状態だ。このまま逃げられて潜伏され、裏で糸を引かれるのは非常に不味い。

「一度、罪人たちを一箇所に集める必要がありそうですね」

 ユウヤがそう決意を口にすると、横で退屈そうに指先をいじっていたシャルロッテが、不思議そうにこちらを見上げた。

 この話は、ドロドロとした貴族の恩讐が絡む難しく、そして解決まで長引きそうな内容だ。ユウヤは、彼女をこの不穏な空気から遠ざけるため、優しくその肩に手を置いた。

「シャル、この話は少し時間がかかりそうなんだ。悪いけど、ミリシスと一緒に居てもらってもいいかな?」

「えぇっ……ユウヤ様と一緒ではないのですか?」

 シャルロッテは、不満げに眉を寄せ、今にも抗議しそうな表情を見せたが、ユウヤの真剣な眼差しに気付くと、しぶしぶといった様子で頷いた。

「分かりましたわ……ミリシスと一緒に控えておりますわ。でも、絶対にすぐ戻ってきてくださいね?」

 シャルロッテは、ユウヤの服の袖をぎゅっと握り、寂しさを隠しきれない瞳で見つめ返した。

「罪人を全て、この場に集めてください」

 ユウヤが静かに指示を出すと、王の謁見の間には元貴族である十五の一族、その関係者たちが次々と引き立てられてきた。広大な広間を埋め尽くさんばかりの人数になり、その場には重苦しく、それでいて刺々しい空気が充満した。

 集めたのは良いけど、どうしようか? ユウヤは、並んだ罪人たちの顔ぶれを冷めた目で見渡した。本来ならば国家を揺るがした大罪人。一族全員が斬首に処されるのが、この世界の常識なのだろう。だが、一度は平民に落とすと決めた以上、今更処刑というのも……。

 彼らは元貴族だ。礼儀作法は骨の髄まで叩き込まれているはずだが、あちこちから不遜な囁き声が漏れ聞こえてきた。

「なぜ我らがこのような場所に集められねばならんのだ」 「平民に落としただけでは飽き足らず、さらに辱めるつもりか」

 王の御前でありながら、許可なく勝手に口を開く。それは既に貴族でもない、ただの大罪人である平民には許されざる不敬だ。剥き出しの敵意と侮蔑の視線がユウヤに突き刺さる。

 これは完全にナメられている。ユウヤは、静かに怒りの火が灯るのを感じながら、威圧的に騒ぎ立てる者たちを無言で見据えた。謁見の間を支配していた静寂が、凍りつくような緊張感へと変わっていく。

「国王のお陰で平民となり、働かないと食べてはいけなくなりましたので、何故お呼びになったのかの説明と、早く開放をして頂きたいですな」

 一人の男が、慇懃無礼な態度でそう言い放った。口調こそ丁寧を装っているが、その目は隠しきれない傲慢さに満ちている。

「そうですぞ。早く開放をしていただかないと、お互いの貴重な時間が勿体ないですぞ!」

 それに呼応するように、別の男がわざとらしい溜息をつきながら同調した。謁見の間には、彼らを支持するような嘲笑の気配が微かに広がった。

 ホントに、こいつらバカなのか? ユウヤは、冷え切った視線を彼らに向けた。反省をしているどころか……言いたい放題か。

 元貴族だろ? 自分の置かれている立場を理解していないのか? まだ貴族気分でいるのか。斬首を免れたので、もう殺されないとでも思っているのか?

 ユウヤは、無意識に拳を握りしめ、自身の内でどろりとした怒りが膨れ上がるのを感じた。床に落ちる静かな靴音すらも、今の彼らには聞こえていないようだ。王の権威すらも軽んじる彼らの態度は、もはや救いようのない傲慢さの塊だった。

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